カエル   かえる   

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第301飛行隊の部隊マークはカエルであるが、モチーフになっているのは筑波のガマ(蝦蟇=ヒキガエルの古名))で、語源は「遐(とお)くへだたったところにおいても、もとの場所を慕(した)って帰ってくる」という意味でこの字をあてて「がま」と呼ばれ、この含めて「訓練から無事カエル」という意味が込められてようだ。筑波のガマと言えば古くから皮膚外用薬として有名なガマの油があり、関ヶ原の合戦あたりから使われ始めたようだ。元々は漢方薬で、ガマからでる乳液汁や薬草エキスや動植物油脂(馬油?)を煮詰めたものらしいが、実際に成分の相乗効果で効き目があり、大阪夏の陣あたりからけが人の治療で評判になって(製法は異なるが現在も売られている)創始者である光誉上人が筑波山中禅寺の住職だったことから、江戸時代に筑波のガマの油として売られて有名になった。

火器管制装置   かき・かんせい・そうち  fire control system 

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レーダーと連動して目標の探査・追尾を行い、攻撃手段の選択や射撃・爆撃位置の表示を行うなど、全天候及び長距離攻撃には必要不可欠な装備で、最初にこれを装備した米軍の実用機はF-86Dである。現代では戦闘機や攻撃機には欠かせないシステムとなっている。探査範囲はレーダーアンテナの大きさで変わるが、小型レーダーでも相手までの距離・方向・高度に応じて対処でき、自機との位置関係から最適なポジションに誘導出来るよう、多彩な攻撃モードを備えているようになってきた。F-4EタイプにはEJ型を含めAN/APQ-120 FCSというパルスレーダー式の装置を積んでいた。EJ改にはF-16の装置を改良したAN/APG-66J FCSというパルス・ドップラーレーダー式に更新され、攻撃モードを処理するコンピューターを新型化したことにより爆撃計算処理能力も復活し、対空・対地とも探査・攻撃能力を大幅に強化された。

ガトリングガン   がとりんぐ・がん   

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1862年にアメリカ人のリチャード・ガトリングが特許をとった機関銃で、複数の砲身を束ねて、それを回転させて順番に弾を発射させる仕組みであった。給弾・撃発・排きょうといった射撃機構を外部動力に頼らなくてはならないため、コンパクトにまとめることが出来ない。しかし、通常使われる発射ガスを利用して射撃機構を持つ機関銃より射撃速度を上げられることをアメリカ空軍が再評価して「バルカン計画」の名のもとに開発したのが、口径20mmで6本の砲身を持つバルカン砲である。ガトリング式は他にも開発したが、バルカンの名を持つのは口径20mmのシリーズだけとなっている。

火薬カートリッジ   かやく・かーとりっじ   

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圧縮空気を使わずにエンジンを始動させる方法として、火薬を爆発させた排気でエンジンを始動させる時に使用する。F-4では空軍型の機体には火薬カートリッジが使えるエンジンになっている。(編注:某漫画の影響か、ドーンという爆発音とともに点火するイメージがあるが、実は爆発と言うより燃焼という言葉の方が適当。ブォーッっという様な音がする。)

また、外装物(C/Lタンク,ウィングタンク,AIM−7,MER,TER,ASM,BOMB等)を投棄、射出する時にも発火させガス圧を利用します。因みに、インボードパイロンはパイロットの操作で投棄することが出来ません。
射出座席にもいろいろな役割を持った物が使われています。
いわゆる、『火薬カートリッジ』と言うと、エンジン点火に使用するモノと思いがちですが、いろいろなところに使用されているようです。

カラス天狗   からす・てんぐ   

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88戦競で第304飛行隊からの参加機のインテークベーンに描かれたスペシ ャルマークで、426号機、342号機、330号機、380号機の4機が確認された。 一般にカラス天狗と言うと鼻の長い大天狗の部下というイメージがあるが、 本来、天狗の姿はクチバシがあったとされおり、鼻の長い天狗の姿は室町時 代あたりから定着したイメージだそうで、カラス天狗の方が原形に近いと言 える。従って、数多い天狗の伝説や信仰もカラス天狗系と長鼻天狗系の2種 類がある。ちなみに、東京の高尾山にある伝説に出てくる天狗は"十郎坊"と いうカラス天狗となっている。

ガン・ハーモ   がん・はーも  GUN Harmonization 

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F-4等が機体に固定装備しているバルカン砲の弾道調整を行うため、基地内に設けられた場所のことで、単に「ハーモ」と呼ぶこともある「harmonization」を略した言葉。
機体をジャッキアップして飛行姿勢に固定し、実際に的に向かって射撃を行い弾道を確認する。この場合、出来るだけ的に多く命中していれば命中精度の良い機体と言え、戦競で射撃大会で実施される場合は、命中精度の良い機体の中から選ばれることになる。86戦競に出場した305SQの機体には小さく「7G」のマーキングがされていたが、これは機関砲の命中率の良い機体を示していた。

慣性航法装置   かんせい・こうほうそうち   

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EJではAN/ASN-63INSという慣性航法装置を積んで、地上から何の支援がなくても独立して対地速度、方位、飛行距離を算出できた。EJ改では米軍のA-10Aと同じLL-39に積み替えられている。

機関砲標的装置   きかんほう・ひょうてき・そうち  Aerial Gunnery Target Set 

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機関砲標的装置(AGTS:Aerial Gunnery Target Set) A/A37U-36 は、空対空機関砲射撃訓練のために使用する。標的の展帳、曳航及び回収がコックピット内のコントロール・ボックスの操作により実施できる。本体のトゥ・リールと標的から成り、標的となるターゲット・セットは視認性を高めるVA(Visual Augument)を持つ再使用可能な標的である。
  装置重量    約223kg
  標的重量    約71kg
  ケーブル重量  約112kg
  ケーブル長   約2600ft
(2002エアフェスタ那覇での装備品展示、解説より)

基地業務群   きち・ぎょうむ・ぐん   

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基地運用の全般的な管理業務を行う航空団隷下の組織で、基地施設の管理や通信業務、外来機の支援等の他に、民間共用を行う基地では運行管理も扱う。 群本部を始めとして飛行場勤務隊、施設隊、通信隊、管理隊、業務隊、会計隊、衛星隊から構成されている。

啄木鳥   きつつき  woodpecker 

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ウッドペッカー参照

起動車   きどうしゃ   

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F−4が通常のエンジンスタートさせる時に使う機材を積み込んだ車両で、 形式をKM−3起動車という。早い話が2tトラックの荷台に圧縮空気を送 るコンプレッサーと、電源供給のための交流発電機を搭載しているのだが、 F−15やF−2といった機体には自力でエンジンスタートが可能である し、T−4でも電源車(C−4)だけで良いので、将来はF−4と共に引退 することになるだろう。

キャノピー   きゃのぴー  canopy 

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テスト用19号機以降はレドームの直径が61cmから81cmと大きくなり、長さ 延長されたことに伴い、後席からの前方視界を確保するために前後の操縦席 に段差を付けたので、キャノピーも上面が直線的な形から、膨らみを持つよ うな形に大型化されたので、後方への視界も若干向上することになった。 F−4のキャノピーは前・後席が独立開閉式なので中間部は固定式で、作動 は自動開閉式だが任意の位置で止めることは出来ない。

キャビン与圧   きゃびん・よあつ   

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高空を飛ぶ航空機はそのままでは空気が薄くなり人体に障害が起こるので、機内に与圧をあたえてこれを防止している。F-4のような戦闘機には概ね0.5気圧程度が保てるようにされている。

キャプティブ弾   きゃぷてぃぶ・だん  captive cartridge 

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赤外線追尾ミサイルの訓練用弾体で、先端についているシーカー部は実弾と同じ。赤外線ミサイルの場合はミサイル自体のシーカーで目標を捕らえなければロック・オンすることが出来ないので、このような訓練弾が必要になる。ただし、推進剤は積んでいないので発射することは出来ないし、もちろん弾頭も付いていない。外観からも実弾と識別できるように弾体が青く塗られている。

救命胴衣   きゅうめい・どうい  LifePreserverUnit 

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空自が使う救命胴衣にはLPU-H1というタイプ(戦闘機乗り用)とLPU-P1(レシプロ機やヘリ用)というタイプがあり、救急用具、緊急用無線の装備を内蔵したサバイバル・ベスト(航空自衛隊では保命ジャケットと言う)と空気袋を内蔵したライフ・ジャケットを一体化した作りになっている。空気の入る気室は両脇と首まわりに有り、海水に反応して自動的に膨らむ機構も付いている。救命胴衣はハーネスの上に着込むが、ハーネスの結合金具部分は救命胴衣の上に出るようにデザインが工夫されていて、見た目には救命胴衣とハーネスが一体化しているようになっている。素材は難燃性のアロマティック・ポリアミドで、色はフライト・スーツに合わせたダークグリーン系である。

空中給油装置   くうちゅう・きゅうゆ・そうち  air-to-air refueling device 

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F-4EJを導入するにあたって「対地攻撃能力が他国に脅威を与える恐れがある」としてオリジナルF-4Eから外された機能の一つ。ただし、導入当初から取り外されていた訳では無く、73年の国会審議(予算委員会)で決まったもので、F-4EJの導入は71年から始まっているので、初期に生産された機体には空中給油装置は付いていた。セントルイス工場で生産/完成した301〜304号機のうち、日本にフェリーされた時の301、302号機には空中給油装置が確認されており、実際にフェリーされてくる際に空中給油を受けての無着陸飛行で来日している。
米空軍のF-4には米戦略空軍(SAC)が開発したフライング・ブーム式の給油口が胴体上にあった。F-4EJではこれを地上用給油口に変えられて、単に給油口が開く仕組みになっている。EJ改でも空中給油用のリセプタクルが迫り上がる仕組みになっているが、フライング・ブームを受けるカップリングが未装着のため、基本的に地上での給油口としか使えない。8SQのF-2塗装を施した一部の機体が胴体上部に空中給油口を示すマーキングを施したことがあって、空中給油装置が復活か!?と思われたこともあったが、空中給油は出来ない。
繰り返すが、F-4EJ/EJ改の空中給油口は、装置自体はオリジナルのままであり、油圧で空中給油口を開くこともできるが、給油口の形状が通常の地上給油口と同じ、一点圧力給油口に変更されており、空中給油機からの受油能力はない。地上での給油車による給油を受けることは可能。(現実として、そうゆう運用があるかどうかは不明。)

空幕   くうばく  ASO 

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航空幕僚監部

雲形迷彩   くもがた・めいさい   

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第305飛行隊が80年戦競から採用した制空迷彩の一種で、ライトグレイを基調にして機体のハイライトになる部分にダークグレイを波形に吹き付けて、上空での低視認性の効果を高めたようだ。82年戦競ではライトブルーとダークブルーを使って、80年戦競と同様のパターンで迷彩を施しているし、92年戦競でも似たような迷彩を行った。基本的にはF-15の通常塗装と同じモノと考えて良いが、F-15の場合はコンピューターを使って塗装パターンを作り出したことを考えれば、制空戦闘に対する迷彩研究を熱心に行っていたと思われる。

黒豹   くろひょう   

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第8飛行隊の部隊マーク。同隊がF-1を装備していた83年頃に、当時の救命装備係長であった安田孝治2曹がデザインと言われ、当時のコールサイン「パンサー」から獲物に襲いかかる黒豹のイメージになっている。豹と黒豹は毛の色が違うだけの同種で、普通の豹から黒豹が生まれることがある。8SQがF-4に機種改編するときは新マークも検討されたそうだが、機種が替わってもFS部隊の伝統を引き継ぐことを重視してか?マークはそのままとなっている。豹は基本的に単独行動で狩りを行う性格なので、隠密行動とスピードを生かした攻撃を行う。また臨機応変な行動を行うことも特長としてあげられる動物としても有名で、飛行隊としてもこれらの特長がFS部隊の性格とシンクロするので、飛行隊のモットーとしているのではないか?と思われる。

訓練空域   くんれん・くういき   

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航空自衛隊では訓練を行うための空域を各地に設定していて、戦闘機等の訓練はその範囲内で行うことになっている。高々度の訓練空域としては

A空域=旭川〜釧路あたりから北海道北東部の上空(千歳)
B空域=北海道の十勝沿岸から岩手県の三陸沖に至る太平洋上空(千歳・三沢)
C空域=北海道西岸から佐渡島北部に至る日本海上空(千歳・三沢・松島)
D空域=B空域の南方に隣接する宮城県東部の太平洋上空(三沢・松島)
E空域=茨城県鹿島沖の太平洋上空(百里)
F空域=なし
G空域=能登半島沖から兵庫県沖に至る日本海上空(小松)
H空域=長野県上空(小松)
I空域=なし
J空域=富山・石川・岐阜県にかけての日本アルプス上空(小松)
K空域=愛知・三重県沖合いの太平洋上空(小牧・岐阜)
L空域=紀伊半島南方から四国・九州の日向沖に至る太平洋上空(築城・新田原)
M空域=なし
N空域=山口県沖から壱岐諸島北部に至る日本海上空(築城・芦屋)
O空域=なし
P空域=壱岐諸島南方から五島列島を含む九州西側の日本海側上空(築城・新田原)
Q空域=山口県北部から島根県西部に至る陸地上空(芦屋)
S空域=硫黄島の全周囲
※カッコ内は最寄りのファイターベース

また、低高度用の訓練空域も設定されていて、こちらはヘリやレシプロ機、またはRF-4の偵察訓練等に使われている。

No.1(NR1)=E空域の西側に隣接した水戸沖
No.2(NR2)=猪苗代湖北部の福島県中部
No.3(NR3)=福島県南部から長野県北東部に至る三国峠近辺
No.4(NR4)=伊豆半島西岸から駿河湾・浜名湖北部の陸地上空
No.5(NR5)=若狭湾東部及び沿岸上空
No.6(NR6)=兵庫県北部の日本海上空
No.7(NR7)=島根県南部の山岳部上空
No.8(NR8)=山口県西部の沿岸及び日本海上空
No.9(NR9)=NO.7とNo.8の中間に設定された陸地及び海上上空


尚、沖縄本島と宮古島の周囲にも民間航路に区切られた形で訓練空域が数カ所設けられている。

訓練展示   くんれん・てんじ  Training Demonstration of JASDF 

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航空自衛隊の装備品を防衛庁長官に披露するために行われる行事なのだが、 実際に長官が来たことは少ない(代理という形で防衛政務次官、又は防衛事 務次官が来る) ほぼ隔年で行われて、開催場所は百里基地だが主催するの は航空総隊司令部で、中部航空方面隊の各基地も全面的なバックアップを行 っている。 主力装備は日本全国から各機種が集結し、一通りエプロンに置かれて展示さ れ(第701飛行隊は除く)、各機種による編隊航過やF-15Jによる機動飛行、 F-1とF-4EJ改による模擬対地攻撃と対空機関砲(VADS)の空砲射撃等も行わ れ、曲技飛行チームブルーインパルスのアクロ飛行まで行われるが、基本的 に隔年で行われているが公開行事ではなく、招待者のみの限定公開である (94年の時だけは航空自衛隊創設40周年の記念行事として開催) F-4EJ改の展示については地上展示に第302飛行隊、飛行展示には第8飛行隊 が担当している。

形式名   けいしきめい   

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マクダネル・ダグラス社が空自向けF-4EF-4EJと呼称するようになったのは71年3月からで、#301が初飛行(1月14日)した日より後であった。もちろん製造記録にもF-4EJというタイプ名は正式に残っている。

契約   けいやく  contract 

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F-4EJの調達整備は当初104機の配備とされ3次防期間中から5回に分けて行わ れる予定だった。最初の1次契約(C1)では1969年に行われ34機(#301〜 #334)の調達。2次契約(C2)は1971年で48機(#335〜#382)。1972年から は4次防となり3次契約(C3)では22機調達予定だったが、沖縄返還に伴い24 機の追加が承認され1973年に24機(#383〜#406)。4次契約(C4)は1975年 で12機(#407〜#418)。5次契約(C5)は1976年で10機(#419〜#428)で 終わるはずだった。しかし、F-104Jの後継機としたF-15Jの導入が機種決定 の資料整理に手間取って1年先送りされたため、F-4EJの予備損耗分を追加 することになり、1977年に6次契約(C6)の承認を受けて12機(#429〜 #440)の調達を行った。

ケロヨン   けろよん   

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第301飛行隊の部隊マークの愛称。元々は66年〜70年にかけて日本TV系で放送されて、当時は絶大な人気を誇っていたぬいぐるみ人形劇「木馬座アワー/カエルのぼうけん」に登場する主人公の名前。最初は『ケロちゃん』と言う名前だったそうであるが、声優さんのアドリブから出た舞台に登場するときの名セリフ「ケ〜ロヨ〜ン!」が定着して、以後は名前として呼ばれるようになったそうである。「カエルのぼうけん」はイギリスの童話を原作にしており、カエルの種類としてはヒキガエルになっている。第301飛行隊はガマガエルなんだから、どっちかっていうと同時代の別番組キャラクターだった「ガマおやぶん」の方が正しかったような気がする・・・・??

編注:ここで、オリジナルケロヨンの画像を紹介しようと思ったが、なかなか適当な画像が見つからなかった。まあ、あったにしても版権モノなので、掲載は難しいと思いますが。

光学照準器   こうがく・しょうじゅんき   

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戦闘機がジェットになり速度が向上すると、従来のパイロットの目で距離や速度、未来位置を判定することは不可能になってきた。そこで照準器に敵機の未来位置を予測表示させるシステムを開発した。最初の頃は単に目標の進路を計算して見越しでの射撃位置を表示するだけだった。F-86が登場すると射撃レーダーを使って目標までの距離も計算して、未来位置を表示するレーダー照準器となり、これにレンジ・サーボを組み合わせて初歩的なFCSに発展していく。F-4EJにはFCSを搭載しているが操作は後席で行う。前席パイロットが直接射撃を行うためにAN/ASG-26Aという光学照準器も搭載しており、これはリードコンピューティング・オプチカルサイトと呼ばれ、自機の運動角を投入して計算する方式で、レーダーが故障しても使用できる。

航空観閲式   こうくう・かんえつしき  Air Review 

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観閲式とは自衛隊の最高司令官(内閣総理大臣)に各部隊の様子や装備品を 見せること。以前は陸上自衛隊を中心とした観閲式を朝霞駐屯地で行ってい たが、94年以降は陸・海・空の自衛隊が1年ごとに持ち回ることになり、 航空自衛隊で行う観閲式は百里基地で行われることになっている。内容的に は訓練展示に近いが、航空自隊官による隊列行進や、装備としては最大級の 大きさである政府専用機(B747-400)も航過飛行を行う他に、陸自、海自の 航空機も参加して編隊航過を行うので、行事規模としてはかなり大きい。主 催は防衛庁で外国からの来賓も多く、一般観客も招待者のみである。 F-4EJ改については地上展示に第302飛行隊、編隊航過に第8飛行隊、模擬対 地攻撃展示に第301飛行隊がそれぞれ担当している。 なお、第1回目の航空観閲式は96年に行われ、観閲官は橋本太郎氏。第2 回目は99年に行われて観閲官は故小渕恵三氏であった。

航空靴   こうくう・ぐつ  Flight Boots 

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特別な機能がある訳ではないが、航空機に使われる油類に浸食されないように靴底は耐油性になっている。形状はブーツ式だが靴ではなくジッパーにより素早く脱着できるようになっている。

航空総隊司令部(ADC)   こうくう・そうたい・しれい・ぶ  Air Defense Command 

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戦闘機や地対空ミサイル全ての実戦部隊(TAC)を統括する組織で、府中基地に置かれている(たぶん地下?) 内部には航空総隊作戦指揮所(COC)、航空総隊作戦管制所(AOCC)が設置されており、バッジ・システムによる防空網の情報がリアルタイム表示され、日本全土の防空作戦を一次元的にコントロールする中枢組織である。また、直轄部隊として総隊司令部飛行隊(入間)、偵察航空隊(百里)、防空指揮群(府中)、飛行教導隊(新田原)、教導高射隊(浜松)、警戒航空隊(浜松)、電子戦支援隊(入間)、プログラム管理隊(入間)等がある。

航空装備品   こうくう・そうび・ひん  Flight Equipments 

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F-4をはじめ、自衛隊パイロットは飛行中の環境に対応させる事や、緊急脱出時の生命維持を目的とした個人装備を装着する。主な物には航空服航空ヘルメット、耐Gスーツ、救命胴衣パラシュート・ハーネス酸素マスク飛行用手袋航空靴といったものがあるが、全てを合計した重量は20kgを越えるそうである。
ただし、これらの装備品は陸自、海自、空自では要求に若干の違いがあり、型式や仕様は統一されたものではない。

航空団(AW)   こうくう・だん  Air Wing 

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基地に所属する実戦部隊の指揮や基地運用の総括管理を行う組織で、言うなれば前線司令部。航空団司令を筆頭に司令部、飛行群、整備補給群基地業務群によって構成されている。航空団は北から第2航空団(千歳)、第3航空団(三沢)、第4航空団(松島)、第7航空団(百里)、第6航空団(小松)、第1航空団(浜松)、第8航空団(築城)、第5航空団(新田原)のの8個。F-4が配備されている航空団は第8飛行隊が所属する第3航空団、第301飛行隊が所属する第5航空団がある。第302飛行隊は陸・海・空の3つの自衛隊が共同運用を行う那覇基地に置かれたため、航空団より規模が小さい第83航空隊の所属となっている。

航空幕僚監部(ASO)   こうくう・ばくりょう・かんぶ  Air Staff Office 

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通称は空幕。航空自衛隊の最高司令部で防衛庁内にあり、監理部、防衛部、人事部、教育部、装備部、技術部、衛生部、監査官が置かれている。このうち中核となるのは防衛部で、防衛警備計画、部隊運用、基地施設維持や情報収集などの業務を行っている。また、有事には航空幕僚監部作戦室が設置され総司令部の役目を果たす。

航空服   こうくう・ふく  Flight Suit 

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航空服は一般的にはフライト・スーツと呼ばれる。航空自衛隊で使われる航空服は独自のもので特に型式名称は無いようだが、通常の航空服の他に、冬季に寒冷水域を飛行する時に着用する耐水性の高い航空服が使われる。
以前は緊急脱出時に目印となりやすいオレンジ系の航空服だったが、空戦時にも視認性が高くなってしまうことから、93年から新しくダークグリーン色にして低視認性にし、難燃性繊維のアロマティック・ポリアミドを素材にしたものに変更して安全性を高めたものになっている。

航空ヘルメット   こうくう・へるめっと  Flight Helmet 

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航空自衛隊のパイロットは機種に関係なく国産のFHG-2というヘルメットが支給される。以前はJP-4AやFHG-1と言ったヘルメットが使われているが、それぞれ細かな改良をされ続けていて、FHG-2も96年あたりから内装が改良された物が支給されている。高いGの影響を受けにくいように軽量化が進み、内装は着用者の頭部形状に内装を合わせやすいようにケブラー製を使用し、それにより強度も増している。また、無線交信が聞き易いように遮音性も向上しているそうだ。JP-4Aの色は白だったが現在は視認性やキャノピー内側への色反射の低いダークグレーになっている。
戦闘機パイロット用に酸素マスク(MO-15)を付けるための保持金具があるが、酸素マスクを使わない機種ではその部分にマイク・ブームを装着している。

航空方面隊(ADF)   こうくう・ほうめん・たい   

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航空自衛隊は日本を4つ(沖縄返還以前は3つ)の区域に分けて防空作戦を展開するようになっており、有事の際の実戦部隊は航空方面隊司令官の指揮を受けて作戦行動を展開する。航空方面隊隷下には航空団を始めとして航空警戒管制団(警戒レーダー部隊)、高射群(対空ミサイル部隊)、航空施設隊(滑走路の応急修理や部隊の一般工事等)、基地防空隊(短SAM、携SAM、VADS)等があり、防空管制所(ADCC)や防空指揮所(ADDC)が置かれている。
北部航空方面隊(NADF)には千歳、三沢基地の各部隊が所属。中部航空方面隊(MADF)には小松、百里基地の各部隊(有事には松島基地も編入される)と入間、岐阜基地の高射群が所属。西部航空方面隊(WADF)には築城、新田原の各部隊と春日基地の警戒管制団と高射群が所属。そして沖縄返還後に設置された南西航空混成団(SWCAD)には那覇基地の各部隊が所属する。

航空機牽引車   こうくうき・けんいんしゃ   

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航空機を牽引させる車両で、民間空港ではトーイングカー(towing car)と 呼ばれているが、航空自衛隊ではタグ(tug=強く引っ張るの意)と呼ぶ方 が一般的。地上支援車両としては最もポピュラーな車両で、F−4やF−1 5等の航空機を牽引して格納庫からの移動等に使われる。大きく重い航空機 を引っ張るだけなら良いが、バック運転で格納庫に機体を上手く納めるには 運転技量を要求される。なお、空自F−4には機体に貼られたステンシル (注意書き等)に牽引車のマークが多くあるが、これは牽引の際には閉めて おくアクセスパネルの表示で、空自F−4独特の表記となっている。

航法計算機   こうほう・けいさんき   

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形式はAN/ASN-46Aで、自機の位置(経度、緯度)や目標の方向、距離、対地速度や偏流角を示すことができる装置で、誤差は1時間で5海里(9.26キロ)以内となっていた。

コープノースグアム  
NEW!!06/11/11
こーぷ・のーす・ぐあむ  Cope North Guam 

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グアム島のアンダーセン空軍基地とその周辺で行われる日米共同訓練の名称。最初の頃の日本側はF-15Jの部隊を参加させていたが、05年及び06年では第8飛行隊のF-4EJ改×10機、飛行警戒監視隊のE-2C×2機と人員約240名が参加した。訓練内容は主にファラロン・デ・メディニラ空対地射場並びに同周辺空域でF-4EJ改と米軍のF-15EとのDATC(異機種対戦闘機戦闘訓練)と、F-4EJ改によるMk.82爆弾(実弾)を使っての対地攻撃訓練。05年の訓練が、F-4EJ(改)にとって初めての実弾を使用した対地攻撃訓練だった。
また、05年末には第302飛行隊のF-4EJ改×10機と飛行警戒管制隊のE-767×1機が参加して、電子戦訓練環境下での防空戦闘訓練や対戦闘機戦闘訓練が行われた。

国籍マーク   こくせき・まーく   

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空自F-4がガルグレー塗装の時、胴体部に描かれた日の丸マークは直径が864mm(赤の部分は762mm)で、翼面は1151mm(赤の部分は1061mm)という結構目立つ大きさだった。制空迷彩に変わると日の丸マークはRF-4と同程度に小型化された。ちなみに国籍マークを日の丸としたのは1955年からで、空自が発足した54年当時は桜の花をデザイン化したものを国籍マークとしていた。

コックピット   こっくぴっと   

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操縦席の計器板はEJもEJ改も一応は公開されており、雑誌にも写真が掲載されている。アナログ計器が主体のEJのパネルに比べ、EJ改ではCRTがあるなど前席で2/3、後席でも1/2近くの変更があるように見受けられる。

コンフォーマル・タンク   こんふぉーまる・たんく  conformal fuel tank 

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アメリカで考えられていたF-4の改修案には、懸架式のセンタータンクに代 わって、F-4の胴体下面に密着させるコンフォーマル方式で1,100gal (4,164L)の燃料タンクを装着する計画があった。F-15C/Dで実用化されて いるコンフォーマルタンクは、機体形状に合わせて形成されたタンクを増設 するため空気抵抗の面で有利で、懸架式に比較すると抵抗が30%程度軽減で きるとされ、その結果として燃費が良くなることとなる。F-15C/Dの場合で は亜音速域での空気抵抗増加は無く、超音速でも抵抗増加は僅かとされてい るが、燃料増加分だけ機体重量も増えるから脚部の補強が必要とされた。コ ンフォーマルタンクは一応外部オプションだが飛行中での切り離しは出来な い。なお、このオプションは燃料タンク以外にもECM機器やセンサー等を 内蔵させることも可能で、これらを総称してFAST(fuel and sensor tactical)パックと呼ぶ。

コンプレッサー   こんぷれっさー  Compressor 

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17段軸流式であり流入空気を圧縮し燃焼機部へ送り込まれる。
標準大気温度(15℃)であれば、17段出口の圧縮空気温度は、約340℃になる。
(2002エアフェスタ那覇での装備品展示、解説より)

参照:エンジン